日本におけるメキシコの文化

メキシコは文化遺産の種類が豊富で数も多い国です。土着の文化だけでなく、スペインなど世界各地から持ち込まれた文化がメキシコの文化遺産の礎となっています。このように、多様な由来のおかげで、メキシコ人の幅広い文化活動がさらに豊かなものになっています。

わが国には文化的に興味深い場所が数多くあります。古代文明の遺跡が189ヵ所、史実にまつわるモニュメントが約2000ヵ所、ミュージアムが1300ヵ所以上、文化施設が約2000ヵ所、ユネスコの世界遺産に登録されている場所が35ヵ所あり、そのうち27ヵ所が文化遺産です。

伝統文化についても、メキシコには無形文化遺産として知られるものが多くあります。その中で特に有名なものとして、死者の日、パパントラのボラドーレス、ケレタロのペニャ・デ・ベルナル伝統文化行事、ミチョアカンの先住民プレペチャの伝統音楽ピレクア、チアパ・デ・コルソの踊りパラチコ、食文化、マリアッチ、チャレリアが挙げられます。また、土着文化や西洋文化など、多様な由来の文化遺産が融合した文化財のなかに、メキシコ人のあり方というべきものがいろいろな形で表現されています。例えば、各地方のカーニバル、セマナサンタの行事、ベラクルスのモヒガンガやクルス・デ・マヨの記念行事、オアハカのゲラゲッツァ、メキシコ全土で12月に祝われるポサーダやクリスマスの行事などがあります。

わが国の現代における美術や文化の発信については、国内各地において700以上のイベントが開催されています。その中でよく知られているのが、グアナフアトのセルバンティーノ国際フェスティバル、モレリア国際映画祭、グアダラハラ国際ブックフェア、メキシコシティのソナ・マコ現代美術フェアです。国内1300ヵ所以上のミュージアムでは毎年数多くの国内外のアーティストの展覧会が開催されています。まさに、メキシコの今を象徴するかのように、文化の力強さを見て取ることができます。

メキシコと日本両国間の文化交流の特徴は互いに強い関心があるというところにあります。実際に芸術活動のさまざまな分野で数多くの文化交流が行われています。メキシコの文化は日本人の興味の的であり、音楽、舞踊、食文化など、日本人に馴染みのある伝統的な分野で高い人気があります。特に食文化については近年、注目がとても高まっています。

そのため、わが国政府は現代的な視点でメキシコ文化を伝えるための普及活動をおこなってきました。伝統的なイメージだけでなく、現代のイメージをも伝えるために普及活動が引き続きおこなわれるでしょう。

2009年5月、在日メキシコ大使館内にエスパシオ・メヒカーノが開設され、文化活動、芸術活動、教育活動、観光イベントの宣伝、ビジネスチャンスの創出、わが国に親しみを持つ人たちの交流の拠点となっています。2018年にはメキシコ日本外交関係樹立130年周年事業の一環として、会議・セミナー・展覧会・コンサート・リサイタル・フェスティバル・試食会・出版発表・映画上映会などの文化プログラムが実施されました。